北海道支部主催第18回ピア・サポートトレーナー養成ワークショップを実施しました。
北海道支部主催第18回ピア・サポートトレーナー養成ワークショップを実施しました。

北海道支部主催第18回ピア・サポートトレーナー養成ワークショップを実施しました。

今回、51名のお申し込みがあり、改めて関心の高さをうかがい知ることができました。北海道支部事務局では、北海道教育委員会への実施報告を終え、皆様からのフィードバックを元に、今回のワークショップを振り返っています。この時期、皆様も年度末の準備に忙しいことと存じます。日々の教育活動へのご尽力に、改めて敬意を表します。

今回のワークショップは、参加者の皆様の熱意に溢れ、互いに研修を深めるピア・サポートが自然に行われました。ピア・サポートは、教師と生徒、そして生徒同士の関係を強化する重要な手段です。特に、教師が常に生徒のそばにいられない場面で、生徒間の支え合いは大切な役割を果たします。

また、教員間のピア・サポートも、学校全体の風土を変える力があると再認識しました。これが循環することで、安心安全で自己実現を目指す学校環境が醸成されます。実際、ピア・サポートが行われている学校は、その効果が顕著です。

最後に、北海道支部として、以下のサポートを提供いたします。
1) 支部会員の次回受講料を7,000円に割引。
2) 実践上の悩みに関する相談受付。
3) 必要に応じた校内研修の講師派遣。
4) ピア・サポートの出前授業の要望に応えます。(連絡先は北海道支部の代表メール)

引き続き、共にピア・サポートに取り組んでまいりましょう。

■1日目(2024年1月8日)

1日目は、朝9時から夕方18時半まで、充実した講義と実践の報告が行われました。以下、セッションごとの概要をお伝えします。

講義1: ピア・サポート概論

北海道支部長の長野から、ピア・サポートの定義、目的、そしてトレーニングには段階があることなど、全体像の理解を深めました。ピア・サポートの基本的な価値とその教育への貢献が明確にされました。

講義2: 自己理解・他者理解

日本ピア・サポート学会静岡支部理事、山口権治先生からのウイットとユーモアに富んだ講義をしていただきました。山口先生は、自己理解と他者理解の重要性に焦点を当て、アイスブレイクやこころのハートなど、実践的なトレーニングを交えて、そのトレーニングの意義を説明しました。

講義3: 課題解決のスキル

課題解決に向けたスキルをテーマにした講義では、ピア・サポーターが直面する可能性のある様々な課題に対処する方法を学びました。グループワークを通して、参加者の体験を通した課題を持ち寄り、話し合うことで、実践的な洞察を得ました。

サポート活動の実際:実践発表

北海道別海高等学校の塩見浩二先生と坂井済先生、岩見沢市立中央小学校の桂綾子先生と北島桂子先生から、それぞれの学校でのピア・サポートの実践例について報告がありました。これらの実践は、理論を実際の教育現場に適用する方法を示す貴重なケーススタディとなりました。

講義4: 対立の解決

北海道支部長の長野が、対立解決のためのアプローチについて講じました。対立が生じた際の建設的な対処法や、ピア・サポートを通じて子どもたち同士で支え合う関係を築く方法について掘り下げました。

講義5: トレーニングの基本と留意点

1日目の最後に、長野から、トレーニングプログラムの設計と実施における基本的な要点と注意点に焦点を当てた講義が行われました。参加者は、ピアサポートプログラムを効果的に運営するための実践的な知識を深めることができました。

■2日目(2024年1月9日)

2日目は、ピア・サポートプログラムの深化と具体化を目的とした一連の講義とディスカッションで構成されました。以下に、それぞれのセッションの内容を簡潔に報告いたします。

講義6: プラニング

北海道支部の副支部長、森によるこの講義では、ピア・サポートプログラムの計画立案に焦点を当てました。プログラムの目的、目標設定、および実施計画の策定方法について解説し、演習を通して、参加者は効果的なプログラム開発のために、どのようかことが必要か、考えました。

講義7: スーパービジョン

続いて森はスーパービジョンの重要性について説明しました。広島県の中学校の実践の紹介があり、ピア・サポートプログラムにおける監督や指導の役割、およびプログラム実施中に生じる可能性のある課題への対処方法を掘り下げました。

講義8: 実際の枠組み

ピア・サポートプログラムの具体的な枠組み構築に関する講義では、森が理論と実践の統合について論じました。プログラム実施のための構造を再確認し、参加者の勤務校を想定した、枠組みについて検討しました。

フリーディスカッション

参加者は7つの小グループに分かれ、ピア・サポートに関する様々な実践や、取り組む時の困難など、深く掘り下げる機会を持ちました。このセッションでは、経験や見解を共有し、参加者同士の理解を深めるための活発なディスカッションが行われました。

講義9: プログラムの評価

ワークショップの最後を飾るこの講義では、北海道支部長の長野先生がプログラム評価の重要性を強調しました。それぞれのアセスメントの目的、方法、およびフィードバックの活用について説明しました。


参加者の声

  • 大変有意義な2日間でした。とても勉強になりました。ありがとうございました。遠くの学校から来られている先生方もいて、すごいなと感心しました。(所属:小学校)
  • 初めて参加させていただきましたが、とても勉強になりましたし、今働いている学校でも広めていく必要を改めて感じました。(所属:中学校)
  • たくさんの先生方に自分の話を聞いてもらえたことが、とてもうれしい時間になりました。そして、たくさん学ぶことができました。ありがとうございました。(所属:小学校)
  • 子どもを主体とするならば、ピア・サポートは大変有効であると実感しました。この研修を各自治体で、初任者研修等で入れてほしいと強く思います。(所属:小学校)
  • 今後も参加して生徒サポート・成長促進に係る自身の引出しを多くしたいと考えています。ありがとうございました。(所属:高校)
  • 昨年初めて参加した2回目のリピーターです。昨年の資料は、私のバイブルとして、実践に欠かせないものになりました。今年分を追加して活用させていただきます。ちょこっとコーナー、好きです。うれしかったです。細かなお気遣いをいただきました。来年も参加希望です。その時に今より進んだ実践をお伝えできるよう、やってみます。ありがとうございました。(所属:中学校)